Keiko Miyata
COMMENT

美しく格調高い台詞で織り上げられた三島由紀夫氏の戯曲は、同時に人間そのものに対する、冷徹で、時に辛辣なまでの深い洞察力に貫かれています。能の謡曲をもとに、その特色である「自由な空間と時間の処理」を生かして書かれた「近代能楽集」は、時を越えてなお、その演劇的輝きを失いません。
『葵上』と『弱法師』は、どちらも魂の自立を求めて揺れ続ける青年がドラマティックに描かれます。一筋縄でいかないこの二人の青年に、神宮寺勇太さんが挑戦します。純粋さと毒気を描き出してくださることを楽しみにしています。そして両作品を、魅力あふれる中山美穂さんが支えてくださいます。時空を行き交う、感性を揺さぶる舞台にしたいと思います。

PROFILE

宮田慶子 1980年劇団青年座(文芸部)入団。83年青年座スタジオ公演『ひといきといき』の作・演出でデビュー。青年座公演ほか、松竹、新国立劇場、ホリプロ、パルコ作品など創作劇、翻訳劇、ミュージカル、オペラと多方面にわたる作品を手がける一方、演劇教育、日本各地での演劇振興、交流にも積極的に取り組んでいる。(社)日本劇団協議会常務理事、日本演出者協会副理事長。2010年9月~2018年8月新国立劇場演劇芸術監督。2016年4月より新国立劇場演劇研修所所長。近年の主な演出作に『赤シャツ』(21)、『DNA』『北斎漫画』『クイーン・エリザベス』(19)、『消えていくなら朝』『砂塵のニケ』(18)、『同郷同年』『君が人生の時』『わが兄の弟』(17)、『月こうこう・風そうそう』『オーファンズ』(16)、『パッション』(15)などがある。主な受賞歴に、紀伊国屋演劇賞個人賞、芸術選奨文部大臣新人賞、毎日芸術賞千田是也賞、読売演劇大賞最優秀演出家賞など。